超絶工芸家

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土曜日から始まった福山美術館、冬季所蔵品展「井伏圭介と山根寛齋 -彫金と木工にみる技と美-」をみるため

ピカソ展以来久しぶりに足を運びました。

 

 

この展示を知ったきっかけは先月の11月木藝家の山根関齋氏の奥様が亡くなられた一報を聞きご自宅へお伺いした際、たまたまそこで息子さんにお会いし回顧展が福山美術館である事を知りました。

 

今回の展示、平成8年に行われた山根寛齋氏先生の回顧展(この当時知る由もなく)に出展されていた作品も見れるとの事で心を躍らせていました。

先生の生作品は生前奥様より見せて頂いたのですが、日本伝統工芸展の入選作品は10年前山根先生より譲って頂いた回顧展の図録をただただ眺めるだけでした。

 

 

日本伝統工芸展の貴重な作品のほとんどは、コレクターの手に大体渡ってしまうので本物を拝むのはほぼ不可能でして、おそらく今回の一般公開が見納めとなるとの事で持ち主が亡くなられて美術館へ寄贈というパターンもありますが稀な話しです。

 

木工をされている方には分かると思うのですが、糸鋸の技術は世界一ではないでしょうか。ほんとに。

 

ものすごーく細いラインを隙間一つなく接ぎ合せている事に驚嘆!何より木の木目、繊維方向が同じ、これは仕上げで鉋がけする時に逆目(繊維方向を逆に削ると肌がめくれて無茶苦茶になります。)を防ぐ処置ですが言う程簡単な話でなく、工芸用の貴重な木材を使うのですから失敗はできません。

 

生前、山根先生に言われたのが「君のように尋ねてくる日は仕事ができないから。」とおっしゃられました。

ちゃんとアポとって伺ったのですが、急な来客で集中力が切れる事は多々あるようで、この感じは私もよく分かります。

息子さんも言われていましたが、「失敗したのはお前が騒いでたから!」と罵倒されたりと日々戦々恐々として近寄れない凄い状況だったとの事。

 

 

山根さんに限らず本気の職人さんに迂闊に声をかけてはいけません。

雑仕事はいいですが、超本気の作業の場合一度切れた集中力をもどすのは時間がかかります。

 

ほんの少しの材料でもうん十万円したりしますから。そのプレッシャーたるや

しかも違う木を使う為木の反りや捻れも考慮しないといけません。加工した後使い物にならない場合もあります。

展示のサンプルもずいぶん反っていました。年月が経っているこということもありますが。

 

このリスキーなパーツを指物技術の粋を集めて加工して組んで箱にします。

工芸品は指物は薄ければ薄い程良いとされ、反面、材料の難易度は上がります。

 

 

図録の作品全てではないにしろ、見てみたい作品を見ることができ興奮!大興奮‼︎でした。

舐め回すようにガラスケースにひたいを押し付けて(お客様がいなかったのでできました)

緻密な作品達を凝視しました。

 

 

ちなみにJAFの会員に入ってますと260円で入館できます!

激安すぎます!今回の展示、図録がないのが残念ですが撮影オッケという事です。

急遽スマホで撮影しましたが、シャッター音があまりに響くので一枚だけの撮影になりました。

会期が4月までなので次回はちゃんとカメラを携えて望もうと思います。

 

もう一人の工芸家井伏圭介氏のことは、恥ずかしながらこの展示会で始めて知りましたが、この方の作品の上品さと緻密さ見事でした。

この方の父親は小説家の井伏鱒二「黒い雨」の作者で、山根先生の寛斎の名前をつけられた方でもあります。

 

 

 

この展示を通して改めて私も後世に残るような、作り手もお客様もわくわくするような、そして美しい作品を作っていこうと思いました。

来年は攻めの年になるよう久しぶりに国展目指そうかなと、あと個展と。

 

随分くすぶっていたので、このタイミングで先生の展示会を見ることができ力をいただきました。

 

ありがとうございました。

 

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